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髙岡豊

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中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

報告

解説運転手はアラブの国の出身者との情報が流布していますが、生きて逮捕されているのでイスラーム過激派としては「犯行声明」を出しにくい状況と思われます。経験則ではイスラーム過激派は5年周期で盛衰を繰り返し、2020年頃を「谷」とすると現在は2025年の「山」に向かって再び活性化する局面にあります。最近のシリア情勢の展開は、こうした趨勢に拍車をかけるかもしれません。また、残念なことですが、イスラーム過激派の盛衰の波は、イスラーム過激派対策やイスラーム過激派の観察・研究に費やされる資源の量・質と相関関係があるのでは?と疑いたくなることがよくあります。次の「山」がどのようなものになるかは、アフガニスタンやシリアで試みられているイスラーム過激派の馴致という政策的実験の成否とも関係するとみています。

コメンテータープロフィール

髙岡豊

中東の専門家(こぶた総合研究所代表)

新潟県出身。早稲田大学教育学部 卒(1998年)、上智大学で博士号(地域研究)取得(2011年)。著書に『現代シリアの部族と政治・社会 : ユーフラテス河沿岸地域・ジャジーラ地域の部族の政治・社会的役割分析』三元社、『「イスラーム国」がわかる45のキーワード』明石書店、『「テロとの戦い」との闘い あるいはイスラーム過激派の変貌』東京外国語大学出版会、『シリア紛争と民兵』晃洋書房など。

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