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高橋和夫

高橋和夫

認証済み

国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

報告

補足中東には多くの民が生きている。アラブ人、ペルシア人、トルコ人、アルメニア人、ユダヤ人、その他の多くの集団である。そして古来から共存し、また互いに争ってきた。しかし、この中でペルシア人とユダヤ人が、争った例はなかった。これは中東の歴史では、稀有な現象である。逆にペルシア人がユダヤ人を助けた事件があった。  聖書の記述によれば、バビロニア帝国のネブカドネザル2世はエルサレムを攻略し、ユダヤ教の神殿を破壊し、その財宝を持ち去った。さらに、その住民をバビロンへと連れ去った。これはバビロン捕囚として知られる。そのバビロンを攻略したのがキュロス大王だ。アケメネス朝ペルシア帝国の創始者だ。キュロスは、ユダヤ人の帰国を許し、財宝を返還し、エルサレムのユダヤ教神殿の再建を支援した。紀元前6世紀の出来事だ。  今回のイランとイスラエルの一連の軍事衝突は、文明史上の二つの民の友好の歴史を汚す不吉な事件である。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

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    東京大学教授/地経学研究所長

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    慶應義塾大学教授 / APIプレジデント / キヤノングロー

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コメンテータープロフィール

高橋和夫

国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

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