Yahoo!ニュース

高橋和夫

高橋和夫

認証済み

国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

報告

補足今回の大統領選挙は、1992年の状況に類似している。92年は共和党の現職のジョージ・H・ブッシュと民主党のビル・クリントンの対決だった。このブッシュは、イラク戦争を始めたジョージ・W・ブッシュの父親だ。アメリカ経済が不況の局面にあったので、ブッシュはクリントンの追撃を許した。そして第3の候補者がロス・ペローだった。ペローはコンピューター関連の大企業を立ち上げた大富豪だった。それゆえ誰からも寄付を仰ぐこともなく、自己資金をつぎ込んで長時間のテレビ広告を買った。本選挙では、ペローは2割近くの票を獲得した。第3の候補が、これほどの票を得たのは、20世紀の初頭以来だった。しかしながら、どの州でも勝利を収めることは、なかった。ペローが得た票の多くは、ブッシュに流れたはずの保守的な考えの有権者の票だった。これがクリントンの低い得票数での当選を可能にした。第3の候補が、現職の足場を掘り崩した例だ。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 前嶋和弘

    上智大学総合グローバル学部教授

    補足「2020年の同じ時期に比べて約2倍」まではわかるのですが、元の英文記事を見ても、そのもとになった調…続きを読む

  • 西山隆行

    成蹊大学法学部政治学科教授

    見解大統領候補に対する不信感が高いのは、両方ともに大統領経験者であること、また、国民の間で大統領に過大な…続きを読む

コメンテータープロフィール

高橋和夫

国際政治学者/先端技術安全保障研究所会長

国際情勢をわかる言葉で、まず自分自身に語りたいと思っています。北九州で生まれ育ち、大阪とニューヨークで勉強し、クウェートでの滞在経験もあります。アメリカで中東を研究した日本人という三つの視点を大切にしています。映像メディアに深い不信感を抱きながらも、放送大学ではテレビで講義をするという矛盾した存在です。及ばないながらも努力を続け、その過程を読者の皆様と共有できればと希求しています。

関連リンク(外部サイト)

高橋和夫の最近のコメント