解説正直、ずさんの一言に尽きます。 会社社長がきらぼし銀行から約4億6000万円を送金する際「犯罪収益移転防止法などに基づく確認が不十分だった疑いがあり、金融庁が事情聴取した」とのことです。 「ＳＮＳで知り合った外国籍を名乗る人物から投資を勧誘され」としています。22年にはロマンス投資詐欺の被害が多発しており、今問題になっている偽投資サイトに誘導されての被害の一つになると思います。 高齢者といった個人が多額の送金を短期間にすれば「詐欺」を疑い確認するのでしょうが、50代会社社長の送金ゆえに「犯罪収益」の可能性を疑わなかったのかもしれませんが、危機意識に欠けています。 当時、記事を通じて被害多発の現状を強く訴えてきましたが、この詐欺の深刻さを銀行は全くわかっていなかったことになります。詐欺を防ぐ最後の砦である銀行がこの状況では被害は増えるばかりです。しっかりとした対応を願うところです。
コメンテータープロフィール
2001年～02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」（彩図社）は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年～2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。～元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』（清談社Publico）
