藤田容疑者には2件の裁判があるとのことです。確実に自分自身がフィリピン国内で有罪となるようにして、日本への送還ができない状況に画策していた節がうかがえます。心配なことは、4人がすでに口裏を合わせていて、誰がどの事件の指示役になっていたのかをわからなくさせていないかの懸念です。 今回、「ルフィ」「キム」などを名乗って、強盗の指示をしていますが、すでに収容施設でスマホを各人が複数持っていたとすれば、これらの人物になって、誰が指示したかわからない状況になっている恐れもあります。 警察庁長官は、4人が関わったとされる特殊詐欺の被害額が60億円以上であることを示しましたが、いち早く指示役とみられる4人がどのような役割をして、詐欺や強盗の犯行にかかわっていたのか、身柄を国内に移しての解明が待たれます。
コメンテータープロフィール
2001年~02年まで、誘われたらついていく雑誌連載を担当。潜入は100ヶ所以上。20年の取材経験から、あらゆる詐欺・悪質商法の実態に精通。「ついていったらこうなった」(彩図社)は番組化し、特番で第8弾まで放送。多数のテレビ番組に出演している。 旧統一教会の元信者だった経験をもとに、教団の問題だけでなく世の中で行われる騙しの手口をいち早く見抜き、被害防止のための講演、講座も行う。2017年~2018年に消費者庁「若者の消費者被害の心理的要因からの分析に係る検討会」の委員を務める。近著に『信じる者は、ダマされる。~元統一教会信者だから書けた「マインドコントロール」の手口』(清談社Publico)