見解被害者の尊厳と権利を守る措置が直ちに必要です。類似の事案に照らし合わせるとこの学校の男子生徒だけでなく、他校やSNSにも流出している可能性もあり、警察の捜査と可能な限りのデータ削除が急がれます。 6月に成立したこども性暴力防止法では、未成年の性暴力加害歴は犯歴チェックの対象外となっています。 修学旅行でのノリでは許されない犯罪事案であり、加害者少年たちが再犯を繰り返さないためにも少年司法の関与が必要となるでしょう。 また成人加害者と同様に認知行動療法などの再犯防止プログラムを受講義務化するなど、大人になって再び加害者とならない対策も重要です。 春日部市教育委員会が、被害者保護を最優先とし、加害者への甘い対応をしないかどうかの注視が必要です。
コメンテータープロフィール
末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。
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