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末冨芳

末冨芳

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日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

報告

解説子どもの貧困率が下がっているではないか、という意見もありますが、日本の相対的貧困率は11.5%、9人に1人の子どもが貧困です。 衣食住だけでなく夢や希望も奪われる、国としての支援策はまったく不十分。 スポーツや文化、旅行やキャンプなどの体験は贅沢ではなく子ども若者がより多くの経験を積み、前向きに育っていくために不可欠なのに、それを奪われることが絶望の連鎖を生んでしまいます。 身の丈に合う合わないという発想をしてしまう時点で格差と貧困を固定してしまうことになります。 全ての子どもの衣食住も学びも体験も支えることが少子化社会でも活力ある日本となるために必要な公共投資です。 競技団体による奨学金や地域クラブでの低所得世帯への活動費軽減への取り組みなども必要でしょう。 体験格差も解消するために、与野党をあげてこどもの貧困「解消」法に、という法改正も進んでいます。

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コメンテータープロフィール

末冨芳

日本大学教授・こども家庭庁こども家庭審議会部会委員

末冨 芳(すえとみ かおり)、専門は教育行政学、教育財政学。子どもの貧困対策は「すべての子ども・若者のウェルビーイング(幸せ)」がゴール、という理論的立場のもと、2014年より内閣府・子どもの貧困対策に有識者として参画。教育費問題を研究。家計教育費負担に依存しつづけ成熟期を通り過ぎた日本の教育政策を、格差・貧困の改善という視点から分析し共に改善するというアクティビスト型の研究活動も展開。多様な教育機会や教育のイノベーション、学校内居場所カフェも研究対象とする。主著に『教育費の政治経済学』(勁草書房)、『子どもの貧困対策と教育支援』(明石書店,編著)など。

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