解説「薬物」とは、体外から血液経由で脳に達した場合、ヒト本来の神経伝達物質と同じように作用する物質のことである。ヘロインやコカインなどが典型だが、アルコールやタバコも同じ働きをもっている。ヒトが摂取した精神作用物質に、脳は敏感に反応するような仕組みをもっており、その意味では薬物摂取は自然の摂理に反してはいない。しかし、害をもたらすこともある。害を減らすためには、薬物に関する文化的背景を理解する必要がある。 乱暴な言い方をすれば、私たちは「薬物」を、快楽のためと苦痛緩和のために摂取する。「娯楽用」と「医療用」である。この二つは1961年の麻薬単一条約によって法的には厳密に区別されるようになったものの、実際にはその境界線は曖昧である。 重要なことは、合法か違法かの問題ではなく、快楽のために薬物を摂取することを受け入れ、薬物の害を減らすことである。薬物使用の背後にある理由を理解することである。
コメンテータープロフィール
1952年生まれ。甲南大学名誉教授、弁護士、元甲南大学法科大学院教授、元関西大学法学部教授。専門は刑事法。ネットワーク犯罪、児童ポルノ規制、薬物規制などを研究。主著に『情報社会と刑法』(2011年成文堂、単著)、『改正児童ポルノ禁止法を考える』(2014年日本評論社、共編著)、『エロスと「わいせつ」のあいだ』(2016年朝日新書、共著)など。Yahoo!ニュース個人「10周年オーサースピリット賞」受賞。趣味は、囲碁とジャズ。(note → https://note.com/sonodahisashi) 【座右の銘】法学は、物言わぬテミス(正義の女神)に言葉を与ふる作業なり。
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