覚醒剤は19世紀末に日本人によって発明され、戦前は、疲労回復、眠気解消に有効だとして市販されていた。当時の研究では、覚醒剤に依存性や体内への蓄積作用、生命への危険はないとされていた。合法であるから覚醒剤を戦争に利用するのは、だれもが思いつくことであった。日本軍も夜戦の兵士や航空パイロット、特攻隊員らに支給していた(覚醒剤はとくに夜間視力を増強させるといわれていた)。これが戦争の現実である。 戦後になって軍が保有していた覚醒剤が一挙に放出され、乱用、依存症が大きな問題となり、1951年に覚醒剤取締法が制定されて、現在では覚醒剤はもっとも厳しく取り締まられている薬物の一つとなった。しかし、自衛隊法第115条の3は、自衛隊の部隊などについて、覚醒剤取締法で禁じる覚醒剤原料の所持や譲受の例外を認めている。実際に使用されるかどうかは分からないが、覚醒剤は今でも戦争と切っても切れない関係にある。
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コメンテータープロフィール
1952年生まれ。甲南大学名誉教授、弁護士、元甲南大学法科大学院教授、元関西大学法学部教授。専門は刑事法。ネットワーク犯罪、児童ポルノ規制、薬物規制などを研究。主著に『情報社会と刑法』(2011年成文堂、単著)、『改正児童ポルノ禁止法を考える』(2014年日本評論社、共編著)、『エロスと「わいせつ」のあいだ』(2016年朝日新書、共著)など。Yahoo!ニュース個人「10周年オーサースピリット賞」受賞。趣味は、囲碁とジャズ。(note → https://note.com/sonodahisashi) 【座右の銘】法学は、物言わぬテミス(正義の女神)に言葉を与ふる作業なり。
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