未来や家族、あるいは恋人への想いを断ち切らせて、死ぬことが前提の攻撃に赴かせる、そのために薬物を用意したということは十分にありえたことでしょう。特攻を見つめる時に、残された遺書や手紙からその若者の純粋さや大義に生きたなどが前面に出てきます。しかし、私たちは、この作戦を実行するための緻密なシステム構築がなされたこともクローズアップすべきだと思います。敗勢に傾いている時に少ない戦力で連合軍に打撃を与える、その作戦遂行のために、要員を育成、整備要員も確保、出撃基地を造成する、機材や燃料も用意する、通信から指揮命令系統を整える、こうしたことを立案し計画を作った人たちがいたのです。そして、出撃の際には、搭乗員が命を惜しまないよう、葛藤を押さえ込むために薬物まで用意したのでしょう。戦争がエスカレートした時思いも寄らない非人間性が前面に出てくることがありうることを特攻という作戦が指し示しています。
コメンテータープロフィール
早稲田大学法学部卒業後NHK入社 沖縄放送局で沖縄戦や基地問題のドキュメンタリーなどを制作。アジアセンター、報道局チーフプロデューサーをへて、「戦争証言プロジェクト」・「東日本大震災証言プロジェクト」編集責任者として番組とデジタルアーカイブを連携させる取り組みで、第37回、39回の放送文化基金賞受賞。その後、Yahoo!ニュースプロデューサーとして全国の戦争体験を収集する「未来に残す戦争の記憶」の制作にあたる。2023年から日本ファクトチェックセンター副編集長として、ファクトチェックとリテラシー教育に取り組む。立教大学大学院 特任教授 デジタルアーカイブ学会理事 及び 地域アーカイブ部会会長
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