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柴田悠

柴田悠

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京都大学大学院人間・環境学研究科 教授

報告

補足若者の賃上げだけでなく、男性全体の労働時間の短縮も重要だ。 対策が充実しているフランスや北欧でも、出生率は下がっている。2023年には、フランスは1.68、デンマークは1.50、スウェーデンは1.45になったと見込まれる。先進諸国全体の傾向として、出生率は下がってきている。これは、高学歴化などによって社会が成熟してきて、価値観の多様化が進んだためだ。これは避けるのが難しい。 他方で、日本では2023年に1.20だ。北欧より0.2以上低く、フランスより0.48も低い。フランスでは移民による出生率引き上げ効果は0.1程度とみられるため、移民の影響を除いても、日本はフランスより0.4程度も低い状況だ。 フランスは北欧以上に、労働時間の短縮が進んでいる。北欧では法定労働時間が日米独と同じ40時間だが、フランスでは35時間に短縮されている。 フランスから学ぶべきことはまだまだ多いように思われる。

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コメンテータープロフィール

柴田悠

京都大学大学院人間・環境学研究科 教授

1978年、東京都生まれ。京都大学総合人間学部卒業、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。専門は社会学、幸福研究、社会保障論、社会変動論。同志社大学准教授、立命館大学准教授、京都大学准教授を経て、2023年度より現職。著書に『子育て支援と経済成長』(朝日新書、2017年)、『子育て支援が日本を救う――政策効果の統計分析』(勁草書房、2016年、社会政策学会学会賞受賞)、分担執筆書に『Labor Markets, Gender and Social Stratification in East Asia』(Brill、2015年)など。

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