解説集団リンチ事件を捜査する中で、暴行に加わった全員が被害者に対して強い恨みを持っているわけではなく、その場の同調圧力や雰囲気に流されて過剰な暴行に加担し、結果として主犯と同様の罪で逮捕されるケースが少なくありません。今回の事件でも、主犯が誰であるかは不明ですが、共犯者全員が被害者に対して強い恨みを抱いていたとは考えにくいです。現場の雰囲気や同調圧力に影響され、暴行に加わってしまった可能性も高いと感じます。 こうした悲劇を繰り返さないためには、単なる道徳教育だけでは不十分であり、他の角度からも幅広い教育アプローチが必要です。個々の判断力や自立心を育て、同調圧力に負けずに正しい行動をとれる社会づくりを目指すことが重要だと考えます。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
22年の警察人生のうち、埼玉県警察本部刑事部捜査第一課で10年間従事し、数々の重要事件捜査本部において被疑者の逮捕、取り調べ、捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当に関わり、多くの経験があります。また、捜査一課においては、デジタルフォレンジック(デジタル証拠)を収集・ 解析するデジタル捜査班⻑として、パソコン、防犯カメラ、スマートフォンの解析を経験しており、サイバー犯罪捜査においても知識を有しています。
関連リンク(外部サイト)