提言松本京子さんについては早い段階から北朝鮮での目撃情報がありました。様々な情報を精査して結果、政府は2006年11月に松本さんを拉致認定者に指定しました。1千人近くいるとされる特定失踪者の中で拉致被害者として認定されたのは2005年4月の田中実さんを含め2件しかありません。その田中さんについては北朝鮮は2014年の再調査で北朝鮮で生存していることを確認し、日本政府に通告しております。北朝鮮が田中さんの存在を認めたのは「拉致ではなく、自らの意思で北朝鮮に渡ってきた」というのが理由のようです。松本さんについても北朝鮮は他の拉致被害者とは異なり「拉致していない」と一貫して否認しています。だとすれば、対応次第では田中さんのようなパターンも考えられます。拉致された当時、29歳だった松本さんも御年76です。まずは生存の確認が先決です。一刻も早い救出が待ち望まれます。
コメンテータープロフィール
東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊