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今朝発射された北朝鮮のICBMは固形燃料使用の「火星18」か、それとも?

辺真一ジャーナリスト・コリア・レポート編集長
固形燃料使用のICBM「火星ー18型」(朝鮮中央通信から)

 北朝鮮が午前7時10分頃、平壌付近から日本海に向け弾道ミサイルを1発発射した。

 国連安保理決議違反である北朝鮮の弾道ミサイルの発射は先月(9月18日)以来43日ぶりである。

 この時は金正恩(キム・ジョンウン)総書記の立ち会いの下、「設計上4.5トン級の超大型常用弾頭が装着された」(北朝鮮ミサイル総局)「火星砲―11ター4.5」が戦略巡航ミサイルの試射と混じって行われていた。「火星砲―11ター4.5」の飛翔距離は韓国合同参謀本部の発表では約400kmと推定されていた。

 仮に今朝発射された弾道ミサイルが長距離弾道ミサイル(ICBM)ならば昨年12月18日の固形燃料使用の「火星―18型」発射以来である。

 この時は約1時間遅れの午前8時24分頃に北朝鮮内陸部から同じようにロフテッド方式で日本海(北東)に向けて発射され、日本の防衛省は「飛翔距離は約1000km、最高高度は約6000kmを超え、約73分飛翔し、午前9時37分頃、北海道の奥尻島の北西約250kmの日本海、排他的経済水域(EEZ)外に落下した」と発表していた。

 北朝鮮の発表も「発射されたミサイルは、最大頂点高度6518.2kmまで上昇し、距離1002.3kmを4415(73分35秒)秒間飛行し、朝鮮東海(日本海)の公海上の目標水域に正確に着弾した」と、防衛省とほぼ同じだった。

 北朝鮮は昨年、2月18日に「火星15」、3月16日に「火星17」、4月13日に「火星18」、7月12日に「火星18」、そして12月18日に「火星18」と、ICBMを計5回発射していた。

 いずれもロフテッド方式(高角度)で発射しており、正常角度(30km~45km)の発射は一度もない。そうした事情から韓国の国防情報本部は昨日、北朝鮮が大気圏再突入を試みるためICBMの正常角度による発射実験を11月に行う可能性について言及していた。

 今朝発射された弾道ミサイルは奥尻島の西方約300kmの日本のEEZ外に8時36分頃に落下したのならば、前回よりも約13分長く飛翔したことになる。北朝鮮のICBMとしてはロフテッド方式では過去最長飛翔時間である。

 金正恩(キム・ジョンウン)総書記が10月22日頃に戦略ミサイル基地を視察していたことからICBMの発射は予想されていたことだが、発射されたICBMが「火星―18型」なのか、それとも別の種類のICBMか注目される。というのも、金総書記が9月7日に国防工業企業所を視察した際にこれまでの11軸22輪を上回る12軸24輪の弾道ミサイル発射車両が密かに公開されていたからである。

 今朝のICBMの発射に金総書記が立ち会っているならば北朝鮮から今日にも発表があるかもしれない。

ジャーナリスト・コリア・レポート編集長

東京生まれ。明治学院大学英文科卒、新聞記者を経て1982年朝鮮問題専門誌「コリア・レポート」創刊。86年 評論家活動。98年ラジオ「アジアニュース」キャスター。03年 沖縄大学客員教授、海上保安庁政策アドバイザー(~15年3月)を歴任。外国人特派員協会、日本ペンクラブ会員。「もしも南北統一したら」(最新著)をはじめ「表裏の朝鮮半島」「韓国人と上手につきあう法」「韓国経済ハンドブック」「北朝鮮100の新常識」「金正恩の北朝鮮と日本」「世界が一目置く日本人」「大統領を殺す国 韓国」「在日の涙」「北朝鮮と日本人」(アントニオ猪木との共著)「真赤な韓国」(武藤正敏元駐韓日本大使との共著)など著書25冊

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