提言防災庁に期待する役割は、シンクタンクとしての機能です。人員を増やしたり法令上の権限だけを強化しても、結局は現場で被災者支援や災害救助にあたる市町村や都道府県に適切なアドバイスができることや、被災自治体職員の代行者として活動できる人材がいなければ復興はできません。また、災害関連死を防止するためには、避難所環境整備のため災害救助法の底上げ改正(内閣府の「一般基準」を定める内閣府告示の抜本的底上げや質的改善)を最低限行い、「避難所TKB」や「デジタル支援」のプロフェッショナル人材派遣を根拠づける平時予算措置も不可欠です。さらに、これまでの災害関連死事例を国が責任をもって全事例集約し、充実した事例集や教訓集を作り上げることも必要ですが、現在は中途半端な状況にとどまっています。自治体の政策支援を代行ないし適切に援助できる人材を育成することを中長期課題とすることも重要だと考えます。
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コメンテータープロフィール
「災害復興法学」創設者。鎌倉市出身。慶應義塾大学卒業。銀座パートナーズ法律事務所。弁護士。博士(法学)。気象予報士。岩手大学地域防災研究センター客員教授。北海道大学公共政策学研究センター上席研究員。医療経営士・マンション管理士・ファイナンシャルプランナー(AFP)・防災士。内閣府上席政策調査員等の国家公務員出向経験。東日本大震災後に国や日弁連で復興政策に関与。中央大学大学院客員教授(2013-2017)、慶應義塾大学、青山学院大学、長岡技術科学大学、日本福祉大学講師。企業防災研修や教育活動に注力。主著『災害復興法学』『被災したあなたを助けるお金とくらしの話』『図書館のための災害復興法学入門』。
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