Yahoo!ニュース

野嶋剛

野嶋剛

認証済み

ジャーナリスト/作家/大東文化大学教授

報告

台湾での発表によれば、ここで生産される半導体は22ナノから28ナノということで、数世代前の技術になる。TSMCやサムソンが競い合っている先端技術がスマホ用などのヒトケタの5ナノや7ナノであることを考えれば、明らかに旧世代の工場ということになるが、一方で、いま世界で自動車用の半導体で非常に不足しているのが20台ナノであるから、主に日本の主力産業である自動車向けの半導体供給を狙ったものではないだろうか。九州には自動車工場も多く、地理的にも合理性がある。日本にTSMCの工場を持ってくることは、日米台のIT連合関係の構築という政治・外交的な意味も大きい。TSMCは台湾政府の影響力が強く、日本政府が台湾政府経由で一生懸命誘致を働きかけたものが実ったようだ。

こちらの記事は掲載が終了しています

参考になった2550

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

コメンテータープロフィール

野嶋剛

ジャーナリスト/作家/大東文化大学教授

ジャーナリスト、作家、大東文化大学社会学部教授。1968年生まれ。朝日新聞入社後、政治部、シンガポール支局長、台北支局長、AERA編集部などを経て、2016年4月に独立。中国、台湾、香港や東南アジアの問題を中心に、各メディアで活発な執筆、言論活動を行っている。著書に『ふたつの故宮博物院』『台湾とは何か』『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』『香港とは何か』『蒋介石を救った帝国軍人 台湾軍事顧問団・白団』。最新刊は『新中国論 台湾・香港と習近平体制』。最新刊は12月13日発売の『台湾の本音 台湾を”基礎”から理解する』(平凡社新書)』。

野嶋剛の最近のコメント