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西山隆行

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成蹊大学法学部政治学科教授

報告

補足ハリケーンなどの自然災害が発生すると、基本的には批判は政権党に向かう傾向があります。ただ、多くのメディアが伝えるところによると、大きな被害を出したフロリダ州ではデサンティス知事(ミニ・トランプと呼ばれたこともあり、共和党の大統領候補となるべく予備選挙に出馬しました)は連邦危機管理局に情報を共有しないなど、危機対応として問題のある行動をとっているようです。また、Politicoの報道によれば、災害対策予算が明らかに不足しており、連邦政府は既に8日間で、ハリケーンなどへの対策費として議会共和党が一年分の予算として認めた額を用いたとのことです。大統領が災害対策をしようとしても、連邦議会が予算をつけていなければ十分な行動をとることはできません。大災害を票獲得のための手段とすることは避けるべきですが、あらゆる事柄が選挙のために用いられてしまうのが米国政治の現状です。

コメンテータープロフィール

西山隆行

成蹊大学法学部政治学科教授

専門はアメリカ政治。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程修了、博士(法学)。主要著書に、『アメリカ大統領とは何か:最高権力者の本当の姿』(平凡社新書、2024年)、『混迷のアメリカを読み解く10の論点』(共著、慶應義塾大学出版会、2024年)、『〈犯罪大国アメリカ〉のいま:分断する社会と銃・薬物・移民』(弘文堂、2021年)、『格差と分断のアメリカ』(東京堂出版、2020年)、『アメリカ政治入門』(東京大学出版会、2018年)、『アメリカ政治講義』(ちくま新書、2018年)、『移民大国アメリカ』(ちくま新書、2016年)、『アメリカ型福祉国家と都市政治』(東京大学出版会、2008年)など。

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