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中北浩爾

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政治学者/中央大学法学部教授

報告

解説小泉進次郎氏が強調したのは「聖域なき規制改革」。その一環として「解雇規制の見直し」を力説し、一年以内に実現すると主張しました。これは岸田政権が行ってきた労働政策からの逆行です。岸田政権は労働力移動が必要だと主張する一方、それを解雇規制の緩和によってではなく、人手不足業種の賃金や労働条件の向上、リスキリングや転職の支援、競争力のある新産業の育成などによって行う、つまり自発的な労働力移動を推進しました。実際、OECDの2019年の調査によると、日本の解雇規制の強さは平均以下、アメリカよりは厳しいけれども、韓国、ドイツ、フランスよりも弱い。 もし小泉氏が主張するように解雇規制を緩和したり、残業時間規制を柔軟化したりしたら、働く人々は安心して生活をすることが難しくなり、少子化も進みかねません。小泉氏は格差を拡大させたと批判される父親の新自由主義的(ネオリベ)改革を再び推進するのでしょうか。

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  • 門倉貴史

    エコノミスト/経済評論家

    見解小泉進次郎氏が掲げる「聖域なき規制改革」には解雇規制の緩和もある。  解雇規制の緩和は、成長分野のス…続きを読む

  • 田中良紹

    ジャーナリスト

    見解父親をほうふつとさせる政治を行うならデフレからの脱却は絶望的になる。日本にデフレを定着させたのが父親…続きを読む

コメンテータープロフィール

中北浩爾

政治学者/中央大学法学部教授

専門は日本政治外交史、現代日本政治論。近著に、『自民党―「一強」の実像』中公新書、『自公政権とは何か』ちくま新書、『日本共産党』中公新書など。

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