見解県都の商店街の核となっていた百貨店が閉店するということは、地域にとっての影響は大きく、柳ケ瀬商店街にとってはかなり痛手となることは間違いない。ただ、中心市街地の衰退は、高島屋のせいでも、商店街のせいでもなく、ひとえにクルマ社会化と、それによる公共交通の衰退によって、中心市街地というハブを使う必要がなくなってしまったという社会構造の変化が要因であり、これが変わらないなら、こうした事態は遅いか早いかの問題でしかない。高島屋の跡地利用も未定と聞くが、これもビジネスベースで考えれば、商業施設として再開発すること自体、簡単ではない。今までの延長線上の議論を繰り返すなら、地方都市の一等地が高層マンションになるという事例が増えるだけである。
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コメンテータープロフィール
みずほ銀行産業調査部で 小売・流通アナリストに10年以上従事。2016年同行を退職後、中小企業診断士として独立、開業。同時に、慶應藤沢イノベーションビレッジでベンチャー支援活動を開始。並行して、流通関連での執筆活動を継続し、TV出演、新聞、雑誌などへの寄稿、コメント提供、講演活動などを実施中。2016年よりITmediaビジネスオンライン「小売流通アナリストの視点」、2021年よりビジネス+IT「流通戦国時代を読み解く」 を連載中2020年よりYahoo!公式コメンテーター。2021年8月「図解即戦力 小売業界」(技術評論社)を発刊。