見解本文指摘の通り、概ね実質賃金マイナスという状況が続ているため、消費者の財布は支出出来る絶対額がかなり目減りしているため、生活防衛のためにも価格選好がかなり強まっている。ディスカウントストア、食品強化型ドラッグストアなどを利用する頻度が上がっており、また、低価格をウリにするトップバリュなどのプライベートブランドに切り換えるという動きも数字で確認出来るようになっている。スーパーなどでも一部商品の値下げセールなどを行わざるを得なくなっているのだが、原価が上昇していることは確実なので、利幅を削っての対応であり、直近は大手スーパーの決算でも減益企業が相次いでいる。こまめな価格対応がないと来店客数にも影響が出るため、企業側としても非常に難しい判断を迫られている。仕組みとして低価格を実現出来るインフラを持たない中小スーパーにとっては、かなり経営のかじ取りが難しくなっている。
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コメンテータープロフィール
みずほ銀行産業調査部で 小売・流通アナリストに10年以上従事。2016年同行を退職後、中小企業診断士として独立、開業。同時に、慶應藤沢イノベーションビレッジでベンチャー支援活動を開始。並行して、流通関連での執筆活動を継続し、TV出演、新聞、雑誌などへの寄稿、コメント提供、講演活動などを実施中。2016年よりITmediaビジネスオンライン「小売流通アナリストの視点」、2021年よりビジネス+IT「流通戦国時代を読み解く」 を連載中2020年よりYahoo!公式コメンテーター。2021年8月「図解即戦力 小売業界」(技術評論社)を発刊。