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森井昌克

森井昌克認証済み

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神戸大学 名誉教授

報告

見解年末年始からの、特に銀行へのDDoS攻撃ですが、金融取引に直接関係するサーバ等への攻撃ではなく、一般顧客へのネットサービス、特にアプリ等へのインターネットを介した攻撃となっており、一般市民が利用するネット銀行としてのサービスには少なからぬ影響が及んでいます。基本的な対策としてはDDoS攻撃が大量の負荷を与えることから、それを対処し得る能力を常に用意しておけば可能ですが、現実にはコストの点から難しい状況です。それでも一時的な負荷であることから処理を時間的に分散させる、あるいは選択的な処理を行うことで対処できます。今回の一連の攻撃は明確な悪意を持った者の仕業であるとするならば、攻撃のコスト、つまり影響力を測ってのことでしょう。これから金銭を目的とした脅迫が行われる可能性もあります。引き続きすべての銀行は注意を怠るべきではないでしょう。もちろん他の市民生活に関係する重要インフラも。

コメンテータープロフィール

1989年大阪大学大学院工学研究科博士後期課程通信工学専攻修了、工学博士。同年、京都工繊大助手、愛媛大助教授を経て、1995年徳島大工学部教授、2005年神戸大学大学院工学研究科教授(~2024年)。近畿大学情報学研究所サイバーセキュリティ部門部門長、客員教授。情報セキュリティ大学院大学客員教授。情報通信工学、特にサイバーセキュリティ、情報理論、暗号理論等の研究、教育に従事。内閣府等各種政府系委員会の座長、委員を歴任。2018年情報化促進貢献個人表彰経済産業大臣賞受賞。 2019年総務省情報通信功績賞受賞。2020年情報セキュリティ文化賞受賞。2024年総務大臣表彰。電子情報通信学会フェロー。

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