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三牧聖子

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

解説ウクライナを最も強力に支援してきた米国では、ウクライナ戦争の見方が民主党と共和党の間で、ますます分裂してきている。民主党のバイデン政権は、ウクライナ戦争を国際秩序全般の危機と位置付け、それゆえにアメリカも強力に支援する必要があると国民を説得してきた。これに対して共和党では、最有力大統領候補のトランプが大統領選を見据えながら、ウクライナ戦争を、周囲への影響も限定的な局地戦争とみるような見解を度々披露するなど、「遠い国」で起こっている戦争より、自国の国境地帯の移民難民対策などに力を入れるべきだという「米国第一」の主張が強まっている。共和党内の支持率でトランプに続くフロリダ州知事のデサンティスや実業家のラワスワミも、ほぼ同様の認識だ。今後の大統領選の帰趨は、米国のウクライナ支援をうらなう大きな要素となるだろう。

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  • 鈴木一人

    東京大学教授/地経学研究所長

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コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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