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三牧聖子

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同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

報告

解説演説は、特定の核保有国だけを批判したり、また、日本国内の原爆被害者だけに目を向けるものではなく、普遍性に貫かれていた。田中さんは、ウクライナ侵略を続けるロシアによる核の脅しとともに、同盟国であるアメリカが武器弾薬を送り続けるイスラエルの現役閣僚らのガザでの核使用への言及も批判した。また、日本の被爆者のみならず、日本で被爆して母国に帰った韓国の被爆者、戦後アメリカ、ブラジル、メキシコ、カナダなどに移住した被爆者など、国籍に関わらず海外在住の原爆被害者への苦しみも訴えた。貴重な機会を活かした渾身の演説に対し、演説後の拍手は長く鳴り止まなかった。

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  • 鶴岡路人

    慶應義塾大学総合政策学部准教授

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コメンテータープロフィール

三牧聖子

同志社大学大学院グローバル・スタディーズ研究科准教授

アメリカ政治・外交、国際関係論、平和研究。東京大学教養学部卒、同大大学院総合文化研究科で博士号取得(学術)。日本学術振興会特別研究員、早稲田大学助手、米国ハーバード大学、ジョンズホプキンズ大学研究員、関西外国語大学助教、高崎経済大学経済学部国際学科准教授を経て2022年より現職。著書に『戦争違法化運動の時代-「危機の20年」のアメリカ国際関係思想』(名古屋大学出版会、2014年)共訳・解説に『リベラリズムー失われた歴史と現在』(ヘレナ・ローゼンブラット著、青土社)。

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