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松原仁

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東京大学大学院情報理工学系研究科AIセンター教授

報告

解説一部で生成AIを使った小説が日本の文学で最高の賞とされる芥川賞を取ったことは象徴的なことで、さまざまな議論を巻き起こすきっかけになるでしょう。議論を巻き起こすとわかっていて著者が生成AIを使っていると明かしたのは著者に覚悟があってのことだと思います。ある文章が生成AIでかかれたものか人間が書いたものかを判定すると称するプログラムも存在するのですが、いつも正しく判定できるわけではありません。今後はある小説を生成AIを使わずに著者が全部書いたと主張しても、その主張が正しいことを客観的に証明するのはむずかしくなります。小説を書くという行為がどういうことを見直す必要があると思われます。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 福井健策

    弁護士/ニューヨーク州弁護士(骨董通り法律事務所 代表)

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    ITライター/株式会社ウレルブン代表

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コメンテータープロフィール

松原仁

東京大学大学院情報理工学系研究科AIセンター教授

1959年東京生まれ。1981年東京大学理学部情報科学科卒業。1986年同大学院工学系研究科情報工学専攻、博士課程修了。工学博士。同年通産省工業技術院電子技術総合研究所(現産業技術総合研究所)入所。2000年公立はこだて未来大学教授。2020年東京大学大学院教授。人工知能,ゲーム情報学などに興味を持つ。元人工知能学会会長、元情報処理学会理事、前観光情報学会会長。株式会社未来シェア取締役会長。著書に「鉄腕アトムは実現できるか」、「先を読む頭脳」、「AIに心は宿るのか」など。

松原仁の最近のコメント

  • 松原仁

    東京大学大学院情報理工学系研究科AIセンター教授

    解説いまの日本の著作権法(2018年に改訂されました)では大量のデータをデータ提供者の許可なく無断で(無…続きを読む

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  • 松原仁

    東京大学大学院情報理工学系研究科AIセンター教授

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