提言大学教員として博士人材の民間企業就職支援を15年やってきました。「博士」と言っても、全く就職に困らない実践的専門性のある学生もいます。 しかし博士はビジネスのプロではないため、自らの専門分野直結のキャリアしか行きたくないという、狭い選択肢から抜け出せない学生は、きわめて苦戦します。 私は東北大学や岡山大学、横浜市大などでトランスファラブルスキル・キャリア戦略やコミュニケーションを担当していますが、社会のニーズに自らの能力を適合させるべく、視野の転換ができた学生はしっかり成果を出しています。 バリバリのアカデミックな基礎研究で成果を上げつつ、一見畑違いのメーカーで、研究ではなく技術や開発をするなど、柔軟な考え方と環境対応が実現できている例も多々あります。 自分のニーズを探すのではなく、自らニーズに合わせて成果を出せることをいかにアピールできるか、実戦トレーニングがきわめて有効です。
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
東北大学特任教授/人事コンサルタント/産業カウンセラー。コミュニケーション専門家として企業研修や大学講義を行う中、危機管理コミュニケーションの一環で解説した「謝罪」が注目され「謝罪のプロ」と命名されるが、実はコミュニケーションとキャリアデザインのWメジャーが専門。ハラスメント対策、就活、再就職支援など、あらゆる人事課題で、上場企業、巨大官庁から個店サービス業まで担当。理系学生キャリア指導の第一人者として、日本初の理系専用キャリアガイドを著わし、理系マイナビ他Webコンテンツも多数執筆。30代に会社を辞め、自費によるロンドン大学大学院留学でキャリアチェンジを果たしたリスキリング先駆者。