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前田恒彦

前田恒彦

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説安否確認も同時に行うという市の業務委託なので、明らかに業者の怠慢で、業者に法的責任があるわけで、業者にそこまでやらせるのは酷だという話にはなりません。 問題の業者はホームページでも「お弁当を手渡しでお届けすることを基本」「もしチャイムを鳴らしても反応がない場合には事前に取決めた緊急連絡先へご連絡」「お弁当をお渡しする際には毎回お声がけ」「ご利用者様のちょっとした変化に気付いた際にも必要に応じてケアマネジャー様やご家族様にご連絡」と明記しています。 ただ、市は改善報告書の提出などを求めるものの、業務委託を打ち切るとまでは言っていません。入札等執行調書などをみると、例年、受託実績がある11の事業者に特定随意契約で委託しています。1食あたり利用者の自己負担500円+市の補助380円のようですが、この金額で安否確認などの福祉的対応まで安定的にできる配食業者がそれだけ少ないということでしょう。

コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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