Yahoo!ニュース

前田恒彦

前田恒彦

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説この記事からすると、理事長が会見途中で「この後ちょっと会議があるので…」と言い出したことは分かるものの、結局のところ途中退席せず、予定時間の35分を超え、50分ほど会見に応じたということでしょうか。そのあたりの状況が曖昧なので、誤解を招く内容となっています。 また、記者が糾弾するだけでなく、理事長の言う「この後の会議」など存在しなかったというところまで裏付け取材で明らかにできていれば、より一層、理事長の無責任で逃げの姿勢が浮き彫りになったことでしょう。 会見で語られた理事長の発言のうち、刑事責任を見極める上で重要となるものを挙げると、理事長自身もアルコールの使用は危険だと認識しており、目の届く範囲で使えば問題ないと判断していたものの、死傷の結果が生じたコンロの担当職員に投入を指示したことはないという点です。結果責任は認めるが、刑事責任については全面的に否認するという弁解となっています。

コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

前田恒彦の最近のコメント