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前田恒彦

前田恒彦認証済み

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元特捜部主任検事

報告

解説これまでもこの時期になると「犯人が現場に残したマフラーの製造元から犯人の特定につながる可能性がある」とか「犯人の指紋の中心に豚の鼻のような特徴があることが分かった」などと報じられてきましたが、進展がなく、検挙には至りませんでした。 これらに比べると、今年はこれといった新しい情報も出ておらず、警察が鋭意捜査を続けているとはいえ、事件当初に社会が受けた衝撃も時の経過とともに風化しつつあるのではないかと危ぐされます。 ただ、科学捜査は日々進歩していますし、たとえ国外逃亡をしていても、他国の捜査機関から犯人に結びつくDNA型や指紋などの捜査情報を得られたり、犯人が国内外で新たな犯罪に及んだりすることで、派生的に本件の検挙に至る可能性もありえます。 2010年の法改正で殺人罪や強盗殺人罪の公訴時効は撤廃されていますので、警察には最後まであきらめず、何とか犯人を追い詰めてもらいたいと思います。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 出口保行

    犯罪心理学者/東京未来大学こども心理学部教授

    解説こうした事件、まさに「検挙に勝る防犯なし」の典型となります。 我が国の警察は本当に優秀です。容疑者は…続きを読む

コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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