売春「立ちんぼ」道路を黄色に塗装、効果ある?根本的な問題は #専門家のまとめ
大阪府警による新たな売春対策が話題となっています。客待ちの「立ちんぼ」スポットとなっているホテル街の道路を目立つ黄色に塗装したり、薄暗い場所に街灯を取りつけたりするというものです。これに対し、ネット上では「根絶は難しく、場所を移すだけだ」とか「ホストクラブの売掛禁止といった改革が必要だ」という意見が示されています。昨今の売春が抱える根本的な問題を含め、理解の参考となる記事をまとめました。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
興味深い取り組みですが、場所を変えるだけだし、いずれまた舞い戻ってくることでしょう。ホストに貢ぐお金を手っ取り早く稼ぐ手段として「立ちんぼ」に至るという根本的な問題が何ら解決されていないからです。ホストクラブの売掛やホストによる立て替え払いの禁止、闇金への仲介規制、行政による様々な支援など、重層的な対策が求められます。
1956年に制定された売春防止法が今の時代に合っていないという問題もあります。当時は貧困のためにやむなく売春を行う女性などを想定しており、その保護が中心でした。「立ちんぼ」だと逮捕されてもせいぜい罰金1万円を払って終わりです。
しかし、現在は貧困や搾取とは関係なく、小遣い稼ぎ的に安易に売春に及ぶケースのほうが多くなっています。売春婦に対する支援策と併せ、買春した者を処罰するなど、買売春そのものを厳罰化すべきではないかといった見解もあります。
一方で、根絶など不可能だという現実を直視し、登録制にした上で性病検査などを義務付けるべきだとか、成人の自由意思の下での売春を思い切って非犯罪化すべきだといった提言もなされているところです。(了)