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前田恒彦

前田恒彦

認証済み

元特捜部主任検事

報告

解説「盗んだ日付が違う」という弁解を聞き、「だからどうした。盗んだことに変わりはないだろ」と思う人もいるでしょうが、法的には意味があり、裏付け捜査を行う必要があります。 というのも、女子高生が米子市の駐輪場で自転車を盗まれたのが6月24日、男が安来市の施設で警察官の職務質問を受けたのが7月3日なので、例えば最初に別の人物が盗んでどこかに放置した自転車を、次にこの男が乗り逃げしたという可能性も考えられるからです。 その場合、放置されていた自転車の状況によっては、成立する犯罪が窃盗罪なのか占有離脱物横領罪なのか、改めて検討を要します。 もちろん、もし米子市の駐輪場に防犯カメラが設置されており、6月24日にそこから自転車を盗み出すこの男の姿がバッチリ撮影されているのであれば、男の弁解は嘘か勘違いということで終わるでしょう。

コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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