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前田恒彦

前田恒彦認証済み

認証済み

元特捜部主任検事

報告

補足警察用語でいう「背乗り(はいのり)」、すなわちホームレスなどから戸籍を買い、その人物になりすましていたのか、全く架空の偽名を名乗っていたのかが重要となります。 組織的な支援の有無やその程度とも関係してくる話であり、前者であれば、自分の顔写真入りの身分証や保険証などを手に入れることもできるからです。 一方で、入院の際はこれらを所持しておらず、自費で治療を受けていたとの報道もあります。どこかのタイミングで男に対する支援がなくなり、保険証も使えなくなって、新たに別の偽名を名乗らざるを得なくなった可能性もあります。 また、路上で倒れていたところを搬送され、緊急入院となったので、手もとに保険証などがない中、余命を宣告され、病院から家族との連絡や医療費の支払いなどについて相談されたことで、「警察を呼んでください。実は自分は…」と告白したとも考えられます。こうした経緯についても解明が求められます。

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コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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