解説詐欺グループが報酬目当ての大学生らから後払い決済サービス「ペイディ」のアカウントを1口座あたり1~2万円程度で大量にかき集め、これを使って次々と高額なスマホを購入し、直ちに転売して多額の利益を上げていたとされる事案です。詐欺グループは電子計算機使用詐欺の容疑で逮捕されています。 当然ながらスマホの購入代金はあとから各アカウントの名義人である大学生らに請求されるわけで、彼らとしても「だまされた」という話になるわけですが、決済アカウントを安易に他人に貸している時点で自業自得にほかなりませんし、詐欺の幇助犯とも評価できる事案であり、法的な保護に値しないでしょう。 そもそも「ペイディ」の利用規約でも、理由の如何を問わず、アカウントの貸与や譲渡などが禁止されている上、これに違反した場合、サービスの利用によって生じたすべての債務を支払う義務があるとされています。
コメンテータープロフィール
1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。