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前田恒彦

前田恒彦認証済み

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元特捜部主任検事

報告

解説軽犯罪法には様々な違反行為が定められていますが、そのうちの一つが「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」という規定です。いたずらなど他人の迷惑になる行為が広く含まれます。 警察は今回のケースについて、キーボックスを設置することで東京都港湾局に撤去や見回りなどを余儀なくさせたとして、これにあたると判断しています。 不動産業界ではよく行われているやり方で、ほかにも同様の行為に及んでいる業者もおり、悪質性が低いことから、刑法の偽計業務妨害罪や威力業務妨害罪の適用は見送ったということでしょう。 軽犯罪法違反だと、刑罰は拘留(1日以上30日未満の身柄拘束)か科料(千円以上1万円未満の金銭罰)と軽く、書類送検時の警察の処分意見も「相当処分」、すなわち起訴・不起訴の判断については検察に委ねるというものとなっています。

コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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