解説術後せん妄が発端となった事案のようですが、法的には(1)医療過誤か、(2)その隠ぺいかという2段階の問題があります。1億4000万円という請求額は(1)を前提とした男性の後遺障害と(2)を前提とした遺族の精神的苦痛の賠償を合わせたものです。 しかし、この記事ではその内訳や計算根拠が示されていない上、遺族が男性の死亡についてまで(1)と因果関係があったと主張しているのか不明であり、誤解を招く内容となっています。そのあたりを深堀りした続報が待たれます。 なお、警察は業務上過失致死ではなく、業務上過失致傷の容疑で麻酔科医と看護師3人を書類送検しています。一方、病院側は外部の有識者を入れた事故調査委員会で調査を行い、(1)について多めの鎮痛剤投与後の経過観察不足や情報共有不足、血圧などの確認懈怠、患者の急変を知らせる医療機器の未接続を認める一方、(2)については隠ぺいの意図を否定しています。
コメンテータープロフィール
1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。
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