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前田恒彦

前田恒彦認証済み

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元特捜部主任検事

報告

ヤフーニュースの公式コメンテーターで法律の専門家である弁護士2人がそろって「軽い」とコメントしており、筆者も軽いとは思うのですが、では法律上、男に何年まで求刑・量刑が可能なのかという点が問題となります。 実のところ、男が問われているのは危険運転致死傷罪ではなく、過失運転致死傷罪であり、刑罰は7年以下の懲役・禁錮か100万円以下の罰金です。しかも、同一の機会の同一の事故で何人を死傷させても、刑法の「観念的競合」という規定により、最も重い過失運転致死罪の刑で処断されるだけで、刑罰を加重することはできません。 そうすると、7年が法律の認める最上限ということになります。それでも筆者は禁錮ではなく、懲役を求刑すべきだったと考えます。懲役の実刑だと刑務作業が義務付けられますし、刑期を問わず勲章も必ず剥奪されるからです。 (参考)拙稿「池袋暴走事故で書類送検、勲章はどうなる? 剥奪される可能性も」

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 山岸久朗

    弁護士(山岸久朗法律事務所代表)

    か…軽い…それが率直な印象です。2人の無辜の生命が奪われた重大な結果や、公判における被告人の不合理な…続きを読む

  • 佐藤みのり

    弁護士(佐藤みのり法律事務所代表)

    二人の尊い命が奪われたことを思うと、法律上の上限とはいえ、禁錮7年の求刑を軽いと思うのが国民感情でし…続きを読む

コメンテータープロフィール

1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。

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