解説投稿画像が何者かによってねつ造されたものであることは争いがなく、木村花さんの母親の女性一家に対する賠償請求が棄却されるのは当然です。 母親は訴えを取り下げる意向を示していたのですが、民事裁判では一定の段階を過ぎると相手方の同意がなければ取り下げの効力を生じないので、その後も裁判が続けられてきました。 結局、和解もまとまらず、判決に至ったわけですが、裁判所は母親の提訴によって濡れ衣を着せられた女性一家による母親に対する賠償請求をも棄却しました。 母親には不当提訴の故意はないし、問題の画像も一見してねつ造されていると分かるものではなく、現にこれを根拠として裁判所が発信者情報の開示請求を認容しているわけで、母親には過失もないという理屈です。 女性一家の控訴が予想されますが、ネット上でSNS投稿のねつ造事例が相次ぐ中、高裁が提訴時の確認義務などについていかなる判断を示すのか、注目されます。
コメンテータープロフィール
1996年の検事任官後、約15年間の現職中、大阪・東京地検特捜部に合計約9年間在籍。ハンナン事件や福島県知事事件、朝鮮総聯ビル詐欺事件、防衛汚職事件、陸山会事件などで主要な被疑者の取調べを担当したほか、西村眞悟弁護士法違反事件、NOVA積立金横領事件、小室哲哉詐欺事件、厚労省虚偽証明書事件などで主任検事を務める。刑事司法に関する解説や主張を独自の視点で発信中。
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