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忽那賢志

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感染症専門医

報告

検査はすれば良いというものではなく、ある程度「新型コロナらしい人」を対象にしないと、検査のメリットよりもデメリットが大きくなります。 例えば東京都では現在67人の新型コロナの患者さんが診断されています。 仮にだいぶ多く見積もったとして1000万人のうち500人が感染しているとして、100万人にPCR検査をすると、(感度70%特異度99.9%として)新型コロナなのにPCRが陰性と判定されてしまう人(偽陰性)が150人に対して、新型コロナじゃないのにPCRが陽性と判定されてしまう人(偽陽性)が1000人出ます。 この偽陽性の人が全員病院に入院することになればイタリアで起こっているような医療崩壊に繋がりかねませんし、本当に救わなければならない患者さんが助けられなくなります。 他国との「患者/死亡者比」と比べると日本は決して検査が足りていない状態ではありません。冷静な議論が必要です。

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コメンテータープロフィール

感染症専門医。国立国際医療研究センターを経て、2021年7月より大阪大学医学部 感染制御学 教授。大阪大学医学部附属病院 感染制御部 部長。感染症全般を専門とするが、特に新興感染症や新型コロナウイルス感染症に関連した臨床・研究に携わっている。YouTubeチャンネル「くつ王サイダー」配信中。 ※記事は個人としての発信であり、組織の意見を代表するものではありません。本ブログに関する問い合わせ先:kutsuna@hp-infect.med.osaka-u.ac.jp

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