Yahoo!ニュース

小山堅

小山堅認証済み

認証済み

日本エネルギー経済研究所 専務理事・首席研究員

報告

見解今回のCOP29では、途上国支援の増額が最も重要な議題の一つとなっていた。途上国は現状の1000億ドルから10倍の1兆ドルの資金拠出を求めていたが、現状の1000億ドルでさえ確保は困難を極めている。その中で、何とか3000億ドルへの増額で妥協が成立した、という恰好だろう。しかし、合意が成立したからと言って、3000億ドルまでの増額は決して容易ではない。来年の初めからスタートする米国のトランプ政権は気候変動対策に後ろ向きであり、途上国資金の増額を受け入れるかどうか、全く読めない状況にある。EUは支援には熱心でも懐事情は厳しい。ロシアとの対立を意識して安全保障強化に大幅な資金が必要になっている。来年以降の実際の途上国支援がどうなるのか、要注目である。

同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 伊藤さゆり

    ニッセイ基礎研究所 経済研究部 常務理事

    見解気候変動対策の目標達成には経済・産業・社会全体の構造転換が必要です。 目標達成に向けた法規制などの枠…続きを読む

  • 江守正多

    東京大学 未来ビジョン研究センター 教授

    補足気候変動が進むと基本的にすべての国が深刻な被害を受け、それを回避するにはすべての国が協力して脱炭素化…続きを読む

コメンテータープロフィール

小山堅

日本エネルギー経済研究所 専務理事・首席研究員

専門は国際エネルギー情勢の分析とエネルギー政策の研究。エネルギー安全保障問題やエネルギー地政学に詳しい。

小山堅の最近のコメント