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今野晴貴

今野晴貴

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NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

報告

見解退職代行の「リスク」は二つ指摘できる。まず、退職代行会社は利用者が本当に退職するべきかの相談にのってはくれない。例えば、職場の問題を改善するための助言や、傷病手当を利用しての休職など、当事者にとってよい選択肢を提示することはない。また、退職代行は、有利な条件で退職をするのには向いていない。残った有給休暇を全部使うことを希望したのに、結果的に取得できなかったという事例もある。本来、退職時に有給休暇を全て使うことは法的に拒否できないはずだが、退職代行業者が退職先と交渉することは弁護士法違反になる可能性が高く、手を出さないのだ。そのため弁護士や労働組合には退職代行会社とのトラブル相談も寄せられている。 例えば、無料で労働相談を受け付けている労働組合「総合サポートユニオン」には、退職代行サービスで辞められなかった人や、退職すべきかどうか迷っている人の相談が頻繁に寄せられ、日々対処しているという。

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コメンテータープロフィール

今野晴貴

NPO法人POSSE代表。雇用・労働政策研究者。

NPO法人「POSSE」代表。年間5000件以上の労働・生活相談に関わり、労働・福祉政策について研究・提言している。近著に『賃労働の系譜学 フォーディズムからデジタル封建制へ』(青土社)。その他に『ストライキ2.0』(集英社新書)、『ブラック企業』(文春新書)、『ブラックバイト』(岩波新書)、『生活保護』(ちくま新書)など多数。流行語大賞トップ10(「ブラック企業」)、大佛次郎論壇賞、日本労働社会学会奨励賞などを受賞。一橋大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。専門社会調査士。

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