見解各Jクラブも毅然とした態度で対応されることが望まれる。むしろSNS上における選手に対する誹謗中傷は長く放置され過ぎて来た。ネットはすでに日常生活を支えるインフラの一部となっており、「無視すれば良い」という次元では語れない。スポーツ界でも木村花さんという犠牲者まで出たことは深く受け止める必要がある。また、選手の属性に対するヘイトスピーチの深刻さも自覚すべきである。浦和レッズサポーターが起こした「Japanese Only」横断幕事件もそれ以前に移籍してきた李忠成選手に対するネット上のヘイトから誘発されたとも言える。スタジアムの健全運営のためにもJリーグが組織的に取り組むことも切に願う。さらに言えば、この課題は一般社会においても共有されるべきものである。首長が気に食わない質問をした記者の名前をXで晒してバッシングを煽るという事態が続いている。凶器になるものへの監視は続けなくてはならない。
コメンテータープロフィール
中央大学卒。代表作にサッカーと民族問題を巧みに織り交ぜたユーゴサッカー三部作。『誇り』、『悪者見参』、『オシムの言葉』。オシムの言葉は2005年度ミズノスポーツライター賞最優秀賞、40万部のベストセラーとなった。他に『蹴る群れ』、『争うは本意ならねど』『徳は孤ならず』『橋を架ける者たち』など。
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