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小黒一正

小黒一正

認証済み

法政大学経済学部教授

報告

補足合計特殊出生率は、若い女性が地域間を人口移動する場合、地域の出生力を適切に表す指標とは限らず、注意が必要です。というのも、例えば、総務省「国勢調査(2020年)」データから、地域別の平均出生率(出産可能年齢15~49歳の女性人口(未婚の女性を含む)千人当たりの出生数)を計算して、都道府県等の比較を行うと、東京都は最下位でなく、むしろ、東京の都心3区(千代田区・港区・中央区)は1位の沖縄県の次の値(つまり2位)となっており、到底、ブラックホールというような状況になっていないことが分かります。国勢調査は5年置きの調査なので、2025年はまだ計算不可能ですが、直近も似た状況の可能性が高いと思います。

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  • 柴田悠

    柴田悠

    認証済み

    京都大学大学院人間・環境学研究科 教授

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コメンテータープロフィール

1974年東京生まれ。法政大学経済学部教授。97年4月大蔵省(現財務省)入省後、財務総合政策研究所主任研究官、一橋大学経済研究所准教授等を経て2015年4月から現職。一橋大学博士(経済学)。専門は公共経済学。著書に『日本経済の再構築』(単著/日本経済新聞出版社)、『薬価の経済学』(共著/日本経済新聞出版社)など。

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