Yahoo!ニュース

川上泰徳

川上泰徳認証済み

認証済み

中東ジャーナリスト

報告

補足医薬品の不足は、イスラエルの封鎖と攻撃と南部のラファ検問所からの物資搬入の停滞によって、今後、さらに危機的な状況になるでしょう。ただし、ガザでの医薬品の不足は、今回の戦争で始まったものではなく、2007年に始まるイスラエルによる封鎖でずっと続いてきたことです。  私が2015年にガザに取材に入った時ですら、シファ病院で麻酔ガスのボンベが底をついていると医師や病院長が訴えていました。重要な手術で使うために、歯医者で抜歯するのに、麻酔なしで行わねばならないという話も聞きました。  シファ病院にある腎臓人工透析センターでは、透析器が故障しても封鎖によって修理する部品を入れることができないため、使えない透析器が10台以上放置されていました。封鎖は医薬品、医療機器など人道物資は除外されるはずですが、イスラエル側がガザ搬入を認めなければ何も通らないという事態が続いてきたのです。

こちらの記事は掲載が終了しています

参考になった1059

コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

川上泰徳の最近のコメント