イスラエル国防相、シリア南部に「防衛地帯」設置を指示…アサド政権崩壊の隙に侵攻か
【エルサレム=船越翔】イスラエル紙ハアレツによると、イスラエルのイスラエル・カッツ国防相は10日、イスラエル軍に対し、シリア南部にテロの脅威に対応するための「防衛地帯」を設けるよう指示した。軍は常駐しないとカッツ氏は説明しているが、シリア南部の事実上の占領につながる可能性がある。 【写真】アル・ジャジーラの女性記者、頭に銃撃受け死亡
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は同日、X(旧ツイッター)への投稿で、「シリアの内政に干渉するつもりはないが、安全の確保のために必要なことを行う」と強調した。
アサド政権の崩壊で混乱が生じた隙に、イスラエルがシリア国内への侵攻に乗り出したとの見方が出ている。イスラエル紙タイムズ・オブ・イスラエルは10日、複数の関係者の話として、同軍がシリアとの国境にあるゴラン高原の緩衝地帯を越え、ダマスカスの南西約25キロ・メートルの都市カタナまで進軍したと報じた。同軍は否定している。
また、同軍は10日、アサド政権の崩壊から2日間でシリア全土の軍事拠点などを350回以上空爆したことを明らかにした。シリアの暫定政権などに武器が渡るのを防ぐための攻撃とみられ、同軍は「シリアが保有していた戦略兵器のほとんどを破壊した」と説明している。