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川上泰徳

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中東ジャーナリスト

報告

見解イスラエルはハマスが病院を「人間の盾」とし、地下に軍事拠点があるという宣伝をして、病院攻撃をしてきた。過去のガザ戦争でイスラエルは「人間の盾」を意に介することはなく、逆に口実として、病院やパン屋など人々の生活に直結する民間インフラをマヒさせる戦争犯罪戦術をとってきた。  2009年にはハマスが砲撃してきたとして国連の小学校を攻撃して避難民40人以上を殺戮したが、その後の国連現地調査で学校内からの砲撃はなかったことが明らかになった。今回、11月初めにイ軍は「ガザの病院にハマスの地下トンネル入口があった」と映像を公開したが、現地の報道機関の検証で病院建設当時に施工された「貯水槽」の入口だと明らかになった。  ハマスにとっては中央病院であるシファ病院に司令部をおくより、病院が攻撃されて使用不能になり、市民に混乱が広がるほうが致命的である。これまでの経緯を考えてもイスラエル軍の主張は信じがたい。

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コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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