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川上泰徳

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中東ジャーナリスト

報告

見解米国が13日にイスラエルにガザの人道状況改善を求めたのは、その翌14日に国連がイ軍のガザ北部への包囲攻撃による人道状況悪化を警告することを知って事前に対応したのだろう。ガザの状況悪化はイスラエルを支援するバイデン政権の責任として民主党の若い支持層の批判につながり、米政権としても放置できない。米国の警告にネタニヤフ首相が従うとは思えないが、イスラエル軍のレバノン侵攻やイランとの緊張の高まりで、ガザから世界の目が逸れている間に、イスラエルは「ガザ北部での住民排除=緩衝地帯設置」を進めていることが明らかになり、米国の動きはガザに世界の目を向けさせる意味はある。イスラエルは「南部境界地帯の軍駐留」と「ガザの南北を分断の中部道路の維持」という戦後復興や難民帰還を阻止と合わせて、戦後もガザを軍事的に支配しようとする「軍事作戦」を進めており、イスラエル軍の動きに合わせた世界の監視が必要となる。

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  • 六辻彰二

    国際政治学者

    見解アメリカ政府の対応は後手に回っている。 イスラエル軍による兵糧攻めにより、ガザで食料、医薬品、エネル…続きを読む

コメンテータープロフィール

元朝日新聞記者。カイロ、エルサレム、バグダッドなどに駐在し、パレスチナ紛争、イラク戦争、「アラブの春」などを現地取材。中東報道で2002年度ボーン・上田記念国際記者賞受賞。2015年からフリーランス。フリーになってベイルートのパレスチナ難民キャンプに通って取材したパレスチナ人のヒューマンストーリーを「シャティーラの記憶 パレスチナ難民キャンプの70年」(岩波書店)として刊行。他に「中東の現場を歩く」(合同出版)、「『イスラム国』はテロの元凶ではない」(集英社新書)、「戦争・革命・テロの連鎖 中東危機を読む」(彩流社)など。◇連絡先:kawakami.yasunori2016@gmail.com

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