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門倉貴史

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エコノミスト/経済評論家

報告

見解政府は壁の引き上げによる7〜8兆円の税収ロスを重くみているが、減税により国民の手取り所得が7〜8兆円増えれば、この程度の税収ロスはすぐに取り戻せる。  過去に政府が実施した減税政策は1回限りのもので、これだと減税による税収ロスを取り戻すことは難しい。1回限りの減税の場合、国民は将来の増税を予想して、生活防衛姿勢を強めてしまい、景気は上向かずに、減税分の税収ロスをカバーできないからだ。  しかし、103万円の壁を178万円に引き上げることで実質的な減税をする場合、これは恒久的な減税となるため、消費の拡大→企業収益の改善→賃金の上昇→消費のさらなる拡大という好循環が実現して、名目成長率が高まりやすくなる。  名目成長率が高まれば、税収は名目成長率の2倍以上のスピードで増加するので、減税分の税収ロスは税収増加によって帳消しになるはずだ。将来の増税も必要なくなる。

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  • 白鳥浩

    法政大学大学院教授/現代政治分析

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コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

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