見解国民年金の「第3号被保険者制度」、いわゆる主婦年金を廃止すれば、専業主婦であっても、保険料を負担しないと基礎年金(国民年金)を受け取ることができなくなるため、一見すると公平な年金制度につながるように見える。 ただ、これは個人単位で見た場合の話であり、世帯単位でみれば現行の主婦年金制度で公平性は保たれている。すなわち、世帯収入が同じ片働き世帯と共働き世帯の年金の負担と給付は同じになっているのだ。 これを専業主婦が国民年金保険料を納めるように変更すれば、現行制度に比べて片働き世帯の負担が増えることになり、世帯単位での不公平が生じることになる。 また、主婦年金を廃止したり、配偶者控除を廃止すれば、結婚のメリットが薄れて婚姻件数が減少し、少子化を加速させる恐れもあるのではないか。
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コメンテータープロフィール
1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。
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