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門倉貴史

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エコノミスト/経済評論家

報告

見解政策コストの観点から見れば、現在認められている(夫婦同姓のもとでの)旧姓の通称使用の拡大よりも、選択的夫婦別姓のほうが、住民票・マイナンバー等のシステム改修費用はずっと少なくて済むことが明らかになっている。  ただ、子どもの幸せや利益の観点から選択的夫婦別姓には慎重な意見も多い。  内閣府の調査(2021年12月上旬~22年1月上旬)によると選択的夫婦別姓を「導入した方がよい」と答えた容認派は29%、夫婦同姓の制度を「維持したほうがよい」は27%だった。  つまり国内の世論は選択的夫婦別姓の容認派と反対派が拮抗しているわけで、なお議論が必要で国民の理解を得る必要があることを意味する。 「夫婦同姓しか選択できない国は今や日本だけ」とか、「国連からも人権侵害やジェンダー平等といった観点から夫婦同姓の強制を廃止するよう勧告されている」といった理由で、制度変更を急ぐべきではないだろう。

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  • 太田康広

    慶應義塾大学ビジネス・スクール教授

    補足通称利用で、通称とパスポート名義とが違う場合、外国では大変なトラブルになる。それだけのトラブルを経験…続きを読む

  • 白河桃子

    相模女子大特任教授、昭和女子大客員教授、少子化ジャーナリスト

    見解選択的夫婦別姓は、30年前から議論されています。1996年には法務省法制審議会が導入することを決める…続きを読む

コメンテータープロフィール

1971年神奈川県生まれ。95年慶応義塾大学経済学部卒業、同年銀行系シンクタンク入社。99年日本経済研究センター出向、00年シンガポールの東南アジア研究所出向。02年から05年まで生保系シンクタンク経済調査部主任エコノミストを経て、現在はBRICs経済研究所代表。同研究所の活動とあわせて、フジテレビ「ホンマでっか!?TV」など各種メディアにも出演中。また、雑誌・WEBでの連載や各種の講演も多数行なっている。『図説BRICs経済』(日本経済新聞社)、『増税なしで財政再建するたった一つの方法』(角川書店)、『オトナの経済学』(PHP研究所)、『日本の「地下経済」最新白書』(SB新書)など著作多数。

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