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伊藤和子

伊藤和子

認証済み

弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ副理事長

報告

見解離婚後共同親権制度のもとでは、離婚後も両親が合意しない限り、教育、進学、医療、居所の指定など、子どもにとって重要な事項が決定できないことになります。両親の意見が合わない場合、裁判所が決定しますが、裁判所の平均審理期間は1年。子は身動きが取れず、深刻な影響を受けるでしょう。 共同親権は良い制度だと宣伝されています。確かに離婚後も良好な関係を維持できる家庭にはよいでしょう。しかし、離婚に至る家庭では、DVやモラハラ、虐待、人格否定等が見えにくい形で常態化し、主に女性や子どもが傷ついているケースが多いのです。この法律が、子どもやDV被害者に深刻な悪影響を及ぼし、加害者に新たな「凶器」を与えるリスクは甚大です。 法律の運用にあたっては、両当事者が同意しないのに裁判所が共同親権を決定することがないよう徹底するべきです。協議離婚でも共同親権を選択するリスクを周知徹底していく必要があります。

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同じ記事に対する他のコメンテーターコメント

  • 千田有紀

    武蔵大学社会学部教授(社会学)

    提言離婚後の単独親権だと子どもに会えない、協力して育児ができない訳ではない。Aさんのケースは単独親権下で…続きを読む

コメンテータープロフィール

伊藤和子

弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ副理事長

1994年に弁護士登録。女性、子どもの権利、えん罪事件など、人権問題に関わって活動。米国留学後の2006年、国境を越えて世界の人権問題に取り組む日本発の国際人権NGO・ヒューマンライツ・ナウを立ち上げ、事務局長として国内外で現在進行形の人権侵害の解決を求めて活動中。同時に、弁護士として、女性をはじめ、権利の実現を求める市民の法的問題の解決のために日々活動している。ミモザの森法律事務所(東京)代表。

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