解説かつてほとんどの大企業は若い社員向けに社員寮を持っていたが、共同生活を嫌う風潮と、企業がリストラで寮を売却することなどにより、単身企業寮は減った。しかし、寮には効用もあった。たとえば、共同生活する仲間と職場を超えた非公式の社内ネットワークが構築できたり、先輩がいれば会社では聞きづらいことを聞いたりできたりした。先輩から仕事や社会人としてのマナーなどを学ぶケースもあった。社員同士の絆を築く一助でもあった。寮がなくなったことで、若者が非公式に会社のことを学ぶ場がなくなっていることも、すぐに新入社員が、やめてしまうことの一因になっているのではないか。だから企業は寮を復活させていると見ることもできる。ちなみに筆者の個人的な体験として、大学卒業後に入った寮で同じ部屋だった5年上の先輩とは、三十数年たった今でも交流がある
同じ記事に対する他のコメンテーターコメント
コメンテータープロフィール
1964年生まれ。88年九州大卒。朝日新聞社の名古屋、東京、大阪の経済部で主に自動車と電機を担当。2004年朝日新聞社を退社。05年大阪市立大学修士課程(ベンチャー論)修了。主な著書は『トヨタ・ショック』(講談社、共編著)、『メイドインジャパン驕りの代償』(NHK出版)、『会社に頼らないで一生働き続ける技術』(プレジデント社)、『自動車会社が消える日』(文春新書)『日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年』(同)。最新刊に経済安全保障について世界の具体的事例や内閣国家安全保障局経済班を新設した日本政府の対応などを示した『中国の「見えない侵略」!サイバースパイが日本を破壊する』(ビジネス社)
井上久男の最近の記事
井上久男の最近のコメント
こちらの記事は掲載が終了しています